9月 052005
 

 「火傷病(かしょうびょう)」と言う日本に存在しない病気の進入を防ぐため、これまでアメリカ産リンゴの輸入は、厳しく管理された一部のリンゴしか輸入されていませんでした。
この度WTO世界貿易機関にアメリカが提訴し日本が敗訴しました。
9/1 yahoo news
 アメリカの主要なリンゴは「レットデリシャス」と思います。この品種は小振りでテカテカとワックスが塗られているようです。この品種の味や品質では、日本のりんごへの打撃は大したこと無いと思われます。
 しかし、世界のりんごの品種は「ふじ」にシフトしており、これは打撃を与える可能性があります。アメリカ産ふじがどのくらいの品質なのか私には判りませんが、ニュージーランドでは、糖度が高く、色付き度合いが高ければ脅威となるでしょう。
 そもそも日本でのりんご栽培は、市場の低価格が慢性化しており20?30年前と同じかそれ以下の価格で取引されています。市場を相手にしていては「やってられない」というのが生産者の本音です。丸かじりする習慣が少ない日本は、りんご市場としての魅力は薄いと思われるのですが、今回の執拗なアメリカの圧力はまったく国益重視のアメリカエゴ丸出しとおもいます。
 日本人は、量より質を求める世界最高品質要求国民と私は理解しています。国内果樹園としては、さらなる品質向上を目指して、なおも努力しなければなりません。
 火傷病の日本への蔓延は、どうやら避けられないと覚悟しなければならない状態と思われますねぇ。「黒星病」もそもそも日本になかった病気で、この防除のために殺菌剤を使っていると言っても過言ではありません。火傷病に対する薬剤は今のところ1薬剤だけで、それも効果のほどはさほどでなく、湿度の高い日本では一気に拡散する事が危惧されます。
 しかし、そもそも日本で「りんご」が栽培されるきっかけは、明治初期にアメリカ産りんごが始まりで、そういう意味では、輸入拡大も致し方ないかとも思われます。

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