そろそろ早生主要品種の「津軽」が収穫時期を迎えます。今年の津軽は、色づきが進まず、成らせておいて着色を待ちたいところですが、どうも熟度は進んでいる様子です。又、果形が大きく、果肉が柔らかいのではないかと思っています。つまりはあまり日持ちがしない傾向にあるようです。
写真は数ある「津軽」の亜系で縞模様の入らない「松田系つがる」で数日中には収穫できそうです。縞模様のある「みすず津軽」は、はやり着色を見ながら収穫したいと思いますが、自然落果がありますのでそちらも念頭に入れております。
枝の切り口や、りんごのフラン病の削り痕に樹の癒合促進のためトップジンMペーストを塗布します。
(フジモリ果樹園参照2/4、4/9エントリ)
この薬剤は木工用ボンドと同じ様なものなのです。大瓶1kg入れを買うと、ハケが付いてきます。ところがこのハケは毛足が長くて粘度の高いペーストでは、たくさん薬剤を付けないと塗れないし、伸びも悪いのです。メーカーとしてはたくさん塗って貰った方が良いのでしょうけど。
そこで、使い古しの歯ブラシを使う人が多いのです。しかし、歯ブラシは今度は毛が硬くて薬が伸び過ぎ、効能が疑わしい場合もあります。
数年前から我が家で使っているのは、絵筆でございます。太めの絵筆は、さすが粘度のある絵の具用に作ってあって、毛の硬さもちょうど良く塗布の際、適度な厚さで塗ることができます。
また、普段写真の様に「筆刺し」またはコーヒーの空き缶でも良いのですけど、これに刺していれば毛先の乾燥も防ぎ、次の日に使っても毛先が硬くならずにすぐに使えます。
このネタはずーと前から暖めていたため、写真ではバックの雪がたくさんありますが、今は大部分の圃場で融雪がすすんでいます。
今日のSTVテレビ(日本テレビ系列)の「笑ってコラえて」で弘前大学が取り上げられ、ナマコ研究やりんご研究の模様が紹介されました。
中でも、かなり前に週刊誌や新聞に取り上げられた「りんごジュースが免疫力がアップする」研究をされている先生が登場。りんごに含まれるポリフェノール効果は健康に良い、りんごは未熟な方がポリフェノール含有が高く、りんごジュースは完熟と未熟りんごのミックスを毎日飲むことでガン等を抑止する免疫効果がさらに期待できるそうです。この先生は毎日ジュースを飲んでいるとのことで、頭髪も濃くなったとか・・・・
うーん、りんごの効能再認識~っ。
今朝のテレビ、ズームインで、みつがびっしり入ったりんごが紹介されました。
全国放送枠で、青森平川市からの中継。ぼた雪が10センチ以上も積もったような中、ミツがビッシリはいる「パプル」が取り上げられ、若き栽培者の解説がはいりました。
「パプル」は、熟す頃になると落果がさけられないとのことで、地上に落ちないように夏みかん販売用のネットを落果前にりんごを包み、端を枝に縛っておいく。熟して枝からりんごが離れたらそれを回収する事により、完熟するまでりんごを成らせることが出来るというものでした。
私は正直いって「パプル」というりんごは初耳。ミツがビッシリはいるりんごは、「こうみつ」があります。(当果樹園ではまだ導入していません) しかし、外観からするに「こうみつ」ではないようですし、登録を検索しても「パプル」は出てきません。
まっ、こういうりんごがあるんだなっと、果樹業である私も一般視聴者と同じ目線でTVをみていました。
参照「こうみつ」:1・2
ちょっと、エントリに間が空きましたので、雨降りのこの時間を利用して駄文を書かせていただきます。
昨年は11月2日に収穫した「きたろう」ですが、今年は10月下旬に全てもいでしまいました。去年より若干樹が大きくなりましたので、収量も若干多くなりましたが、まだまだコンテナ数箱位で依然としてマイナーなりんごでございます。
「きたろう」は、「ふじ」と「はつあき」の掛け合わせだそうで(参照1・参照2)果皮が黄色いので「黄太郎」としたようです。漢字よりひらがな表記の方が一般的だと思います。
黄色いから「黄太郎」、じゃー甘かったら「甘太郎」かい?。清かったら・・・。あっ、そうそう、総理大臣も「太郎」でございましたなぁ。
「きたろう」と聞いて増毛の人ならば「石崎喜太郎」氏を思い浮かべるべなぁなどと思いつつ、このマイナー品種に思いを寄せているのでございます。
そういえば、HBCラジオ朝8時20分頃のCMでかかる「ものたろう・ものたろう・・・・」の歌が、脳裏に残って困るんですけど。そこでネットでMonotaRoのHP見ると豊富な工具や消耗品がありますし、ワイパーブレードなどが安いなぁ。早速カタログを請求してみようっと。
本日の農業新聞に青森県で育成したりんごの品種が単純な事務ミスで登録できなかったニュースが載っていました。ネットでは各紙にも出ていましたが、陸奥新報が一番詳しいので、覚書としてアップしておきます。
以前、まだ選抜候補段階で注目されいてた「すり下ろしても変色しないりんご」などの品種が県の農水省への登録料数万円未納で、登録出来なくなったようです。
私も「すり下ろしても変色しないりんご」は、興味津々なので、是非入手したいものですがどうなるのでしょうか。青森の苗木屋さんの本年度版カタログにはすでに載っているようですが、私はまだ見ていません。
それにしてもですね、農水省も県も我々「庶民平民」とすればどちらも「役所」なのですから、そこまで厳格にしなくても、何とかなったのではないかと思うんですけど。このドタバタ中に「漁夫の利」を狙う輩も出たりして。そっちが心配です。今や産地間競争を越え、国際化しているさなかですので、中国や韓国に乗っ取られないような視点もほしいかなっなんて思っちゃいます。
もともと果樹には突然変異する事がまれにあって、その樹と違う性質の枝が出ることがあります。我が家では「ハックナイン」の着色する「枝変わり」がすでに発見されています。
日本で一番栽培されている品種で今や世界を席巻する勢いの「ふじ」は、もともと「国光」×「デリシャス」の掛け合わせで誕生したのです。しかし当初その実は味は良いものの、果皮の色が悪くて見るからに不味そうでした。
しかし、ふじが沢山植栽されるとその中に着色のよい枝がつぎつぎと発見され、現在は「ふじ」の着色系が盛んに栽培されています。苗木屋さんのカタログによれば「らくらくふじ」「小町ふじ」「ジャンボふじ」「長ふ6号」「峰村ふじ」「2001年ふじ」などなど。
また、色だけでなくて収穫期が異常に早い枝変わりも発見され、「やたか」と命名されたのです。
さらに「やたか」の着色する枝変わりが続々出てきて「早生ふじ」とか「弘前ふじ」「紅将軍」などです。「昂林」もたぶんその系であるはずです。
しかし、「枝変わり」の枝を継木して増やしてみますと、経年するにしたがいいつの間にか元にもどる「先祖帰り」が起こることもあります。我が家では「やたか」をいち早く植栽しましたが、ほとんど「ふじ」とかわりばえしなくなっています。そろそろ更新時期かと思っていました。
その矢先、うちの「やたか」に枝変わりを見つけました。写真では分かりにくいのでコントラストを強調してみましたが、明らかに着色が違います。収穫期は「やたか」より遅いようですけど、家のオリジナル品種となるでしょうかねぇ。
参照:青森の片隅から
本日気温が下がって午前中、かすかな白い物体が見えたんですが、午後3時過ぎになり夕立のごとく雨になりました。外に駐車していた車を移動しようと乗り込むと、フロントガラスに雪がたっぷりかかっていました。雨ではなくて「みぞれ」だったんでせすね。これ、たぶん初雪だと思います。
さて、今日は「高嶺(たかね)」と「きたろう」を収穫しました。高嶺は毎年「尻割れ」が多くて製品化率か非常に低かったんですけど、今年は摘果を遅らせたせいか、実割れ果が少なかったです。高嶺はレッドゴールド系統の3倍体だったと思いますけど、この品種もレッドに似てミツが沢山入ります。
「きたろう」はミツこそ入りませんけど、貯蔵性が良くて酸味が少なく、私なんぞは「バナナりんご」と勝手に称しております。時間が経つとさらに酸味が抜けて、ほんとうにバナナに近い味(私見)となります。