3月 112005
 

 増毛町の果樹が毎年のように結実するのは、花時期に導入しているミツバチのおかげです。このミツバチは「まつやま養蜂園」所有です。ミツバチ巣箱を果樹園内に搬出搬入作業は果樹協会青年部が中心に行なっており、もう何年も経ちます。ミツバチは春、鹿児島から北上し秋に帰るのです。青年部は「このミツバチ達は鹿児島から来ている」のは知っているのですが、一体どんなところなのか一見するのが夢でありました。
 その夢がこの度やっとかなったのです。 まつやまさんの故郷は知覧町。薩摩半島の南はずれに位置しています。主な産業はお茶や畜産を中心とする農業です。知覧町は大きな川が流れていないため、何10キロも離れた池田湖よりポンプアップした水をタンクへ貯蔵し、用水として活用しています。お茶は、一番茶が高級なのですが、鹿児島といえど春先は霜の危険が大きく、霜対策の為の扇風機があちこちに設置しています。最近はもっと有効なスプリンクラーで散水するシステムに移行しつつあります。
 お茶は土づくりが重要で、たくさんの堆肥を必要とします。知覧町は畜産もさかんで、その糞を堆肥にまわそうとするのは当然でしょう。私達は堆肥化するリサイクル施設を見学しました。ここは、大きな施設で、原料は主に鶏糞を堆肥化しているそうで、各養鶏所から運ばれた鶏糞は、攪拌、水分調整、ブロアーなどの工程で醗酵させて堆肥化して、各お茶農家へ販売しています。原料はこのご時勢なので、タダ。製品化した堆肥は手ごろな価格で販売されるため、知覧町内で完結していて、理想的なサイクルで農業が回っています。
 お茶は、近年のペットボトルブームで、3番茶などこれまで比較的程度の低いグレードでも需要があるとの事で、お茶農家ははっきり言って「儲かっている」との事でした。知覧は一軒当たりの畑所有面積が大きく、目だった傾斜地も無くて多くが機械化されています。「お茶は静岡だ!」と先入観を持たれている方も多いと思いますが、表示のうるさくなっているこのご時勢です。きっと益々知覧をはじめとする南薩摩地方のお茶のシェアは増えていくことでしょう。

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