4月 022006
 

 自称ネット右翼仲間の ben氏が貸してくれた本「たった一人の30年戦争」を読みました。数ヶ月前に小野田さんが自然塾を開いている特集がテレビで放送していて、私はなんとなく見ていました。この本を渡された時は、テレビでも紹介されていた記憶があって、正直読むのが億劫でした。
 しかし、前回の本「国家の正体」のあとがきに小野田少尉の救出エピソードが書かれていて、これは何か繋がっているなぁと、この本の開いたのでした。
 小野田さんの救出劇は、私も中高生の頃でリアルタイムにニュースを聞いているはずです。しかし、その前に生還した「横井少尉」帰還(1972)の方が鮮烈で、小野田さんは、私の中では失礼ながら二番煎じであり強烈な印象を残していませんでした。
 しかしこの本を読み進めて、最初四人行動であった事など改めて知りました。一人失い一人離脱し、二人きりの遊撃活動をとる。たまに真剣な喧嘩もしたが、その最後の戦友を銃撃戦で失った小野田さんだが、それでも命令遂行の為一人で戦争を続行したのです。やがて小野田さんを発見しようとやって来た日本人の若者との出会いが、帰国のきっかけとなるのでした。 帰還した小野田さんを待っていたのは、繁栄した祖国日本でしたが、すっかり左思考に汚染された日本社会は、小野田さんにとって全く居心地悪い世の中でした。
 この本を読んで改めて小野田さんのまっすぐな性格や、今の日本人の失った大切な心を見た思いがしました。書かれいてる文章は小説ではなく体験した描写であり、小塚氏が撃たれた部分や、小塚氏の墓標に手を合わせた部分など涙があふれそうになる箇所もありました。
一部引用

私は戦場での30年、「生きる」意味を真剣に考えた。戦前、人々は「命を惜しむな」と教えられ、死を覚悟して生きた。戦後、日本人は「命を惜しまなければいけない」時代になった。何かを”命がけ”でやることを否定してしまった。だが、死を意識しないことで、日本人は「生きる」ことをおろそかにしてしまってはいないだろうか。

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