増毛アメダスデータによると、昨日増毛に降った雨の量はたったの5ミリでした。今日は晴れていましたので、午前中には完全に乾いてしまいました。この為、潅水作業は続行。あさからエンジンを回しています。明日は雨になるようですが、降水確率よりも「降水量」が気になります。
今朝、水揚げのためにスプリンクラーを自宅から一番離れた圃場へ移動し、セットしエンジンを始動したらまもなくポツポツと雨が降り出しました。
しかし、この降雨はじつに7月28日以来16日ぶりの雨です。「待ってました!」と言いたいところですが、潅水作業に慣れた私どもには「当にしていないけど降るなら降ればぁ」といった感じです。さきほど、やや雨脚が強くなりましたので、一応エンジンは止めてきました。
16日ぶりの雨と言いましても、7/28はたったの6ミリ、その前は7/26の3ミリで、その前は7/21と7/22のそれぞれ1ミリ、もうぜんぜんたぁーりません。潅水設備は必須とは思いますが、適度に雨が降れば余計なことする必要は無いのです。このため、本来の仕事が出来なくなり、お盆だというのに未だに徒長枝(とちょうし)(後日説明します)切も終わっていないし、さくらんぼへのお礼肥えもやっていない状態なんです。
ヨドバシカメラにも行きたいし、HPもじっくり直したいのですが、一体この雨、満足するだけの雨量となるのでしょうか?
8月10日はりんごや梨、今日12日はさくらんぼとプルーンにそれぞれ薬剤散布をしました。
果樹園の薬剤散布は、SS(スピードスプレヤー)を使って行います。これは、散布ノズルと風を利用して霧状の薬剤を葉っぱに散布するものです。果樹園の仕事の中で、数少ない「機械化」された作業です。
8月4日にも書きましたが、カッパにマスクの容姿ですが、幸い10日12日は暑さも一段落とみえて涼しく、まぁ、比較的快適に作業が出来ました。
SSの機械は、約500万円ほどしますので、多くの産地では「防除組合」を結成して共同で所有しています。共同ですと行政からの「補助」も受けられました。最近では中古のSSを個人所有する方も多くなりました。
当果樹園は、防除組合(11名SS2台)に属して共同利用しています。SSのメーカーは数社ありますが、私どもは、余市にある鉄工所で作られる「川南」製です。北海道ではかなりメジャーです。走行エンジンと散布エンジンを独立して装備していますので、それぞれ可変が自由に出来るのが特徴です。
今年のSS利用もあと数回となりました。
左のグラフは、増毛町にあるアメダスの降水量のグラフで、6月?今日までのデータです(見にくいですが詳しくはこちら)。
一目瞭然。6月は、末にまとまった雨が降りましたが、ほとんど乾いていました。7月は上旬の雨続きで、さくらんぼに被害がありました。雨よけハウスのビニールをはいだのですが、当然そこは雨が当たっていないため、草も枯れるほど乾燥していて、これに急いで潅水をしています。しかし、7月下旬?今日まで、降水は無し。今朝パラパラの湿りましたが、降雨まで及びませんでした。
増毛、特に果樹園の集中する暑寒沢地区は石、礫が多く、水はけが良い分、乾燥には弱いのです。もう、サクランボ以外のりんごや梨も水不足の兆候が現れてきました。あちこちで潅水によるエンジン音が聞かれます。我が家でも、さくらんぼのついでに隣接する樹に潅水をしています。
こう高温、乾燥すると、りんごなどに「ダニ」の発生が多くなります。りんごはやや葉ダニによる変色も見られるので、早々に防除しなければなりません。しかし、こんなに暑いと「たいぎ?」です。
新聞にも出てたようですが、HBCラジオでも紹介され、HPを見ました。「空調服」又はこちら
腰元に小型ファンを2基備え、服と皮膚間に空気をめぐらせ、汗の気化熱で自然に体温を冷やす仕組み。これだとべたべたしないし、快適でいくら暑くても平気らしい。
我々果樹業者は、最近になって「減農薬」と訴えてはおりますが、殺菌剤などの薬剤散布は行われております。その際、カッパを着てマスクしての防備でスピードスプレヤーに乗るのですが、夏場だと、地獄の苦しみ。よほど「やるぞー!」の意気込みを持たないとやられません。他府県ではもっと暑い気温の中での作業で、大変な体力を消耗します。私も以前から何とかならないかなぁと思っていました。エアコン装備キャビン型の機械はありますが、700万以上と高く、依然としてカッパにマスクでやっています。
この「空調服」。カッパタイプだといいですねぇ。空気の取入れにフィルターでも付けば、さらによし。また、戦闘機パイロットがしているマスクのように、口元にも新鮮なエアーが入ればもう言うこと無いんですけど。おそらく、近い将来、果樹スプレヤーオペレーターには必携となる予感がします。誰か買ってぇ?!
商品やサービスをやり取りする時「対価」としてお金を払う訳だが、その「価値」は値段として表される。しかし、その「価値」は受け取る人により相当幅があり、場合によっては「猫に小判」なんて事もあり、またその逆もあります。
日本さくらんぼ界の最大粒品種?「南陽」は、その価値の幅はあまりにも大きい。最も大きく色が良い品物は1キロ4000円もすると思えば、少々小粒の「南陽」は1キロ1000円の場合もあります。時期や流通場所にもよりますし、物量にも左右されます。しかし、その価格幅がこんなに開く品種もありません。
もうそろそろ日本から「生さくらんぼ」は姿を消し、また来年という時期になりました。(さくらんぼ最終ランナーは「芦別・大橋さくらんぼ園」かなぁ。こちらはお盆あたりまでありそう?)今時期に「さくらんぼ」は全国的にも貴重な存在なのです。はたしてその価値はいかに???
我が家ではまださくらんぼあります。他の果樹園では雨よけハウスのビニールを全て剥いだ方もおります。当果樹園は、まだ終えていないとは言え、昨日「切り上げ」と称してパートさんの区切りをつけました。一気に規模縮小で細々営業です。
さて、今年の北海道産さくらんぼは災難続きでした。まず、開花期のやや不安定な天候で、着果が場所によりまちまちで、総じて成りが悪かったと思います。また、我が果樹園は、一部圃場に「幼果菌核病」を歴代無いだけ発生させてしまいました。
6月の生育期は少雨のため、潅水作業に追われました。やはり果実肥大には降雨の方が絶対大きくなります
そして、なんと言っても6月末?7月上旬の長雨です。降水量こそ大したことはありませんが、ジリジリと湿度の高いどんよりした日が続きました。これにより、露地のさくらんぼは実割れ、それに伴う灰色カビ病多発。市場に品質の悪いさくらんぼが大量に出て、価格は低調に過ぎ、その後目立った値上がりは見ませんでした。
雨よけハウス物は、実割れこそ少なかったですが、日照不足により「糖度」が上らず、7月中旬になって、各品種が一気に柔らかくなりだしました。特に「水門」は味や外観の色艶はこれまでになく良くありませんでした。また、日持ちも極端に悪かったように思います。
「南陽」は各果樹園さまざまですが、こちらは例年とかわらずの流れでしたが、なり具合が悪かった果樹園も多かったです。
総じて、今年のさくらんぼは、価格低下、柔らかく味がすっぱい、日持ちも悪いといった状態で推移しました。
全ては7月上旬の悪天候に影響されてしまいました。北海道は「梅雨」はありませんが、今年は完全なる「梅雨」状態でした。今後、これからもこのような異常な天候が続くかも知れません。地球規模での気候変化も気になります。
さくらんぼの収穫を全て終えた果樹園も多くなってきました。今年はさくらんぼにとって災いとも言える年となりました。この件は後に書くとして・・・・。
26日以降はお客様がガクッと減りました。我が家はまだ多少のさくらんぼが残っており、雨よけハウスのビニールを剥ぎたくてもなかなか出来ない状態です。しかし、作業は明日一旦の区切りをつけ、パートさんを縮小します。
さくらんぼのピークはこの辺りは7月中旬。さくらんぼを求めるお客さんもこの時期に集中します。その「勢い」の時期を逃すと、もうお客さんは離れてしまいます。これはスーパー各小売店でも同じのようです。この「勢い」はいったいどうして起こるのでしょうか。人間、特にはっきりした四季の移り変わりを敏感に感じる日本人は、その「旬」を求める遺伝子が備わっているとしか思えません。
しかし、昔は季節それぞれだった作物が、栽培技術向上と流通の変化で、どんどんと「旬」の食べ物が年中手に入るようになりました。これは、幸せな事なのかもしれませんが、反面、「ありがたみ」や自然への畏敬とかがなくなってしまい、「お金を出せばなんでも買える」という一種の「おごり」を生んでいるのかもしれません。
生の「さくらんぼ」は、貯蔵性が悪いため、年中ありません。まぁ、ニュージーランド産は12月にわずかに輸入されていますけど。そう言う意味では、「ありがたい」貴重な作物のひとつが「さくらんぼ」という事が言えるのではないでしょうか。
収穫を終えたさくらんぼの樹は、すでに来年の芽が備わっていて、葉を落とす冬直前まで、その芽と樹自体の充実の為、脈々淡々と活動をしています。
たとえば「りんご」は秋に収穫しますが冷蔵保存の技術でその保存は1年持つ事が可能になっています。「いちご」は春先からのものですが、九州?北海道までの各地で作られ、また品種構成により、ほとんど年中出回っています。
しかし、「さくらんぼ」は長期貯蔵が出来ませんし、作付けも山梨県から北海道までありますが、しかし、作付け産地が限られ、当然生産量も限られるため、日本に出回るのはせいぜい5月?7月です。また、各産地では収穫期間は1ヶ月間程度です。輸入物「アメリカンチェリー」は輸入解禁当初は7月までありましたが、現在ではカリフォルニア産が主に入っているようで、7月にはもう姿を消しています。
増毛でのさくらんぼ収穫期は7月です。お客さんはその収穫期をちぁーんとご存知のようです。たぶん知識ではなく、旬のものを追う「体内に備わった本能」があるのではないかと私は思っています。
暑くなりはじめると旬である「さくらんぼ」を食べたくなるのだと私は思います。事実、7月はたくさんのお客様が来られます。しかし、暑さに慣れるとたぶん「スイカ」とか「メロン」を求め始めるのか、8月に入るとサクランボがまだ獲れていてもお客様が激減するのです。これ不思議です。まぁ、トウモロコシと同時にサクランボ食べるのを想像したくありませんけどね。・・・・つづく
全国的に「中央卸売市場」は明日休みです。毎週日曜日の他に月2回休みがあります。8月の一回目は明日です。私の記憶では昔は日曜日のみ休みでしたが、「日本人はエコノミックアニマル」とか「働き過ぎ」と指定されていた頃、市場も週休2日までは行かなくても月2日の休みを取るようになったと思います。。
「市場」は魚や青果など腐れ安い品物を扱うため、一気にセリで大量の品物を動かす昔ならではのシステムです。とろこが、量販店が台頭し、価格の上下が少なくなり、セリをしないで「相対(あいたい)」で値を決めて品物を動かす度合いが増えました。そのため、「市場」自体の存在も問われるはじめています。
スーパーなどは曜日に関係なく開店しています。市場休みの前の日はこれを見込んで仕入れます。また、生産者側からすると青果は、時期になると曜日に関係なく熟します。市場が休むと消費者にとっても鮮度の面で低下します。市場関係で働く人は大変かもしれませんが、交代出勤等で日曜以外の休日をなくしても良いのではと思います。
世の中、このような流通の都合に合わせている場面が多々あります。(写真は大田市場でのせりの模様)
そろそろ、さくらんぼの地方発送は終わりを向かえるのに、この話題もなんなんですが・・・・・。
常連さんから「去年も贈ったんだけど頼みます」とか何件もの注文で、同じ依頼人の住所氏名を何回も書かなくてはならないとか、もともと字のきたない私には苦痛ともいえる送り状宛名がきでした。
もう10年も前からこんなのはパソコンでやろうと思っていて、それならば水平プリンターでしょ。初代はNEC pc-pr700/55。しかし、ドライバーが貧弱で送り状連続用紙には対応することができず、一枚一枚の手差してやっていました。去年(あれっ一昨年かな)ヤフオクでepsonVP-4200を落札。
これ重宝しています。印刷ソフトはアクセスによる自作。履歴も出るし、自作なのでカスタマイズが自在で、URLなんかも印字するようにしました。道内の果樹園メーリングリストにも公開しましたが、誰も使っている様子はありません。しかし、我ながら大変重宝する出来です。日通航空は手差しとなりますが、フロントから入れ、クロネコは頻度が高いので連続用紙をセットしています。
さくらんぼ終盤でなんなんですけど、果樹園テーマソングをHPで募集していますが、大塚愛「さくらんぼ」は没にしていました。しかし、歌詞の意味が良く分かりませんが、これだけストレートに「さくらんぼ」と歌い、テンポも良いので果樹園ドットネットHPに採用します。
椎名林檎の「りんごの歌」は暗いイメージだし、歌詞も意味不明なのでこちらは不採用としました。
仙北果樹園では正直申して「クレーム」をいくつか受けております。さくらんぼ発送はリスクが多いです。
発送される方も受け取る方も「さくらんぼの発送はリスキーである」と認識して欲しいと思います。
受け取る方は荷物が玄関まで運ばれるわけですから、それが当たり前になってしまい、どれほどの経路をたどったかはかり知ることはありません。
「実が柔らかくてブヨブヨ」「汁が出ているて、腐っているようだ」等数件のクレームがありました。いずれも京都・愛知の方からでした。発送したこちらも恐縮ですし誰も幸せではありません。私共としてはかなり気をつけているものの、やはり数粒の割れなど混入する場合も確かにあります。
本州まで特に関西あたりだと1500キロの距離を翌日配達するなんて、すごい進歩した宅配システムです。しかし、それを実現するためにどれほどのエネルギーと人手を要しているのか今一度考えても良いのではないでしょうか。例として大阪までの経路をたどってみました
当果樹園で朝収穫(増毛)?選果箱詰め?昼前集荷?航空トラックへ積替え?営業所にて積替え(岩見沢)?千歳飛行機積込み(夕方)?大阪空港着(夜)積替え?営業所積替え(深夜?早朝)?各営業所着(早朝?朝)?配達トラック積み替え?お届け先玄関着
ざっとこれほどの経路をたどっているわけで、積替えや仕分けには当然人の手が添えられています(一部は機械)。この途中どこかで衝撃が加わるとさくらんぼは痛んでしまいます。また、扱う人にもよりますし、本当に発送は難しいと思いますし、無事に着くようにといつも祈っています。
;本日東京の最高気温は過去最高の39.5度、千葉で40度って、これすごいですねぇ。増毛の今日の最高は雨模様もあって22度程度です。東京の灼熱は想像を超えています。これでは北海道から送られた「さくらんぼ」はどうなったでしょうか、心配です。
一応、全てクールにしているとは言え、到着してからすぐに冷蔵庫へ入れないと茹でさくらんぼが出来ちゃうんではないでしょうか?
直売をやっていると電話やFAXによる常連さんからの注文があります。また、私ども仙北果樹園はスーパーへも卸しているため、売掛が生じます。そこで、市販手書きの納品書を書いて送るのですが、件数が多くなると、入金との照らし合わせが度大変になります。
私はパソコン暦が古いので、「やっぱりこういうのはデータベースでしょ」「カスタマイズできるaccessでしょ」と数年前からアクセスで動く会計ソフトを探していました。AC20売上管理やシェァウエアnoho売掛管理システムもなかなか良く出来ていて、使い分けて使っていました。
ところが、この4月からの税込み表示の影響で、内税にして欲しいとか外税でよいとか複雑になっちゃいました。これまでのものは外税しか対応していなくて、どうにか内税でもと思って探したのが、これIBS売上管理です。我々農家は仕入や在庫は関係ないので、単に売掛と請求書発行が出来ればよいので、いろいろタイプがあるな中で一番安い「売上管理」です。約3000円(プラス銀行送金料630円)です。ただ、ロックされているためカスタマイズできませんが、なかなかこれも良いです。公開版は約4万なのでちょっと躊躇しています。このソフトは外税内税できますし、反応が早いとも感じました。
販売王アグリ版を持っていますが、こちらは全く使っていません。一応インストゥールしていますが、視覚的に解りにくいです。