日本は言うまでもなく島国です。そして百年ちょっと前まで世界と隔絶した文化を形成してきました。そして、開国し、急速な近代化に成功して、戦争を過ぎて現代の豊かな生活を送っています。
開国後からは世界の規格に合わせて国内の思考やシステムを変化させて来ました。今もなおグローバルスタンダードと言われるものに翻弄されています。たとえばペイオフなどもその一つですし、ライブドアの敵対的企業買収もそのグローバールな流れの一つでしょう。
しかしね日本は元来島国であり、小さな戦はあっても、基本的には「みんな仲良くやろうよ」と言う精神が根底にあると思います。島国ですから、気にくわないからと言って、他所へ行くにも行けないし、狭い中でどうのように暮らしていけるのかを追求していました。農業や林業が盛んに行われていたのも島内で完結しなければならなかったのです。
それが、開国後、さらには今日に至るまで、世界経済の中で日本文化はどんどん退くことになっています。世界経済は一部のアメリカの大金持ち達の都合良く作り上げられた規格であることも否定できないでしょう。「日本の常識は世界の非常識」と言われて、日本人はせっせと世界規格に合わせて来ました。エコノミックアニマルとか、根回しとか日本らしい思考は否定されつづけてきました。
しかし、世界は交通や通信の急速な進歩で地球を小さくし、また、むしばんで来ました。ある国が覇権を試みることにより戦争となり多くの悲劇を生みました。今では経済を追求することで環境を大きく悪化させています。
人間が宇宙へ新規開拓出来ないこの現在、人間の生命維持には地球内で完結していなければなりません。つまり、地球はもはや「島国」であるわけです。地球に住む人間が「みんな仲良くやろうよ」という精神を持たなければいつまでも戦争は続くし、貧富の差はますます増加します。しかし、共産化はソビエト崩壊を例に取るまでもなく、失敗の経験済みてす。そこで、私はきっと日本的な考え方が世界の主流になるのではないかと思っていたわけです。
で、この本「日本の文化力が世界を幸せにする」は、日下さんが優しく説いています。呉さんは韓国生まれですが、済州島出身でいわゆる「島国」の方であり、日本文化に相当思い入れている方です。
日下さんは、特別日本が日本文化を押しつけなくても、心地よければ自然と和風に傾いてきますよと言っています。なるほどねぇ。やっぱり私のうすうす思っていた事をわかりやすく解説してくれています。
いつの日か、「日本の常識は世界の常識」となるでしょう。
3月 262005