近年消費者の農薬に対する心証は悪く「農薬は害」とイメージが先行しています。当然、殺虫剤はその強弱はあっても有毒です。そこで、我々も少しでも減農薬にと取り組んでいるのが、「Yes!clean」の取得です。害虫のフェロモンで交信攪乱をして、交尾を阻止する方法ですが、これでは害虫の初期数は変わらないため、比較的消極的に方法です。
そこで、各メーカーでは積極的に害虫を減らす方法は無いかとしのぎを削っていて、登場したのが「天敵製剤」です。剤といっても、天敵となる虫や害虫にだけかかる病原菌、天敵に寄生したり捕食する虫や微生物といった、生物そのものです。
すでにダニを食べるダニとか、アブラムシに寄生する寄生性天敵剤など売られています。これらの生物農薬?ですと、これまでの有毒剤と違って、害虫のみをターゲットとするので、安全と言うわけです。しかし、まだまだマイナーで、値段も非常に高く、用法も普及していないのが現状です。
6月10日に当果樹園の一角で、「シンクイ虫」に対するこの製剤の調査実験がはじまりました。使用したのは「バイオセーフ」こちら参照普及センターとメーカーからも来園され、道内初の調査のようです。
この剤は線虫の一種で、シンクイ虫の幼虫が地中で越冬するので、その幼虫に寄生して、やがてその幼虫は敗血症で死んでしまうというものです。この天敵の線虫は非常にデリケートで、暑さや寒さで死んでしまうため、環境には影響しないとの事でした。
水300リットルに、納豆パックほどの容器に入った黄色い固まりを溶かします。このパックには実に何億もの線虫がいるらしい。線虫の大きさは長さで0.5ミリ以下で、太さはさらに小さいので、肉眼では見えませんでした。それを地面に散布しました。この線虫は水性のため、さらに水をかけて地面に流ししみこませるひつようがあるようです。実用されれば、雨の日に散布するという事になりそうです。
さらに下旬にもう一度散布して、シンクイ虫がどれだけ発生するのか調査る予定となっています。順次報告したいと思います。
6月 122005
水田は除草剤散布!梨にはフエロモン剤
たまには真面目に農作業日記を書かなければ[:汗:]
でもぶっちゃけ、このブログを見てくれている方はどの糧のネタを期待しているのかなぁ[:たらーっ:]・・・リン…