12月 022005
 

 ビルの耐震強度偽装問題で、いろいろニュースが流れていますし、様々なコメントや解説がなされています。
 私もこれについて言わせていただければ、マンションやビルの「売値」を先に決めて、それに似合うコストを算出した結果だと思うんですね。他のビルよりも格安で販売するためにとられた「無理」がこのような生命軽視の流れになったのだと思うんですよ。
 果樹や農産物は、「市場」に委ねると需要供給により価格が変動します。生産者やそれにかかわる人は一喜一憂するわけですが、ここ10年前くらいから様相が変わりました。価格変動は低い方のみへ傾き、高騰する事はなくなりました。量販店と称する大手スーパーが、「市場」を素通りしたり、市場での「あいたい」取引が増えたためとだと私は思うんです。もちろん不景気や輸入増も要因していますが。すべての流通商品がこの方式では無いにしろ、販売価格は、「売り主」が決め、それに合わせて仕入れ価格を設定する事がしばしばあるのです。特売で、消費者は喜びますが、スーパーではその分安く仕入れようとしますから、裏では誰かが「晴れない思い」をしているのです。毎回毎回「安さ」を求めてこられると、物を売り渡す側は、自衛策として品質を落とさざるを得なくなります。そこまで行かなくても、「生産や流通意欲」はどんどん消沈していきます。そして、どんどんと国内の農家が減少する構図になっています。
 これと同じ現象が建築業界で、しかも直接多くの生命を失いかねない重大事件となって発展したのではないでしょうか。偽装マンションを買った人は本当に気の毒です。しかし、価格と見た目のみで購入してしまった事も省みる必要もありましょう。
 また、私のように「憂国系ブログ」をウォッチしている方なら共通と思いますが、この事件は「日本らしくない」「日本人も大陸思考に近づいた」と感じた方も多いでしょう。
 この事件を聞いてパラオの崩落した橋を連想してしまいました。こちら

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