成田を離陸して約10時間(9時間かも)飛行機はスカンジナビア半島北端を通過していた。3人掛けの機体右側シートは私一人で独占。下界は氷で覆われている。ただ、飛行機の窓はほとんどブラインドが下ろされていて、一つだけ開けると、まぶしい光が機内に強く差すので、恐る恐る時々ちょこっとブラインドを開けては写真を撮っていた。
2回の機内食と合間のアイスクリームがサービスされたが、そろそろ退屈も限界に差し掛かった時、ようやく画面の地図を拡大しても、着陸地点が見えてきた。そしてよやくロンドンの国際空港であるヒースローに着陸。予定より30分早く着いた。
ヒースロー空港は巨大で、我々はターミナル5に着いたのだが、飛行機を降りてターミナル5のメインフロアへは無人操縦のシャトル地下鉄に乗って移動する。そして入管でパスポートにスタンプを押してもらって、税関を通ってやっとめでたくイギリス入国だ!札幌からのおばさん団体は、チャーターバスへ添乗員が案内して行った。ついに周りに日本人は居なくなってしまった。
グランドフロアー(イギリスでは1階は日本で言う2階で、日本の1階はグランドフロアと言う)へ降りていくと、「sim」のお店があった。事前のネット記事には空港に自動販売機があって高いと書いてあったが、現在はちゃんとお店があったので、入ってみるとイロイロな種類のプリペイドSimが売っていた。市内に行って迷うより早々タブレットを使えるようにしようと、一番安いsimを購入し、セットしてもらった。一か月1ギガまでのタイプで25ポンドであった。よし!これでタブレットはwifiに関係なく使える。Google mapやfacebookも自在だ。
それでは市内の予約しているホテルに行きましょう。ほとんどの客は鉄道でパディントン駅に急行(特急?)で行くようであるが、今夜の私のホテルはキングスクロス駅の近く。早速タブレットで確認すると、地下鉄で乗り換えなく行ける。よし!地下鉄だ。地下鉄の自動販売機は2基しかなく、しかもお札の現金を使えるのは片方のみ。私は札幌で両替済みの5ポンド札は50枚も持っている。5ポンド札を2枚入れてってと・・・・しかしtoo muchの表示とともに戻ってくる。2回やってもだめ。おつりの少ないように自販機にいれないと切符は出てこないようだ。仕方なくお向かいの売店でジュースを買ってお札をコインにした。しかし、数種のコインがあるが、どれがどれだか全くわからない。コインに大きく金額の数字が刻印してあればよいのだが、ごくごく小さく書いていて、老眼では無理。しかたなく、自販機に書かれていた実物大の型に当てはめて判断し、所定の金額を入れ、ようやく切符が出てきた。
ロンドンの地下鉄は、車両が小さく狭い。対面して座ると向かい合っている膝と膝間に一人立てばいっぱいだ。車両が小さければ、掘るトンネルも小さくて済むからなのだろうな。車内の停車駅案内を見ながら、ようやく目的地King’s cross St.pancras駅に着いた。地下鉄をおりて、エスカレーターで出口へ上り、降り客で込み合う中、改札機に切符を挿入するが、受け付けず切符だけ出てくる。別の改札機もダメで出られない。困ったあげく、近くにいた駅員にアピールしたところ、私の切符を確認することなく、自分のメインカードを改札機にかざしてゲートを開けてくれた。戸惑う私であったが、なんとか駅の外に出られた。もう夕方だ。早速タブレットを開きgoogle mapの画面をたよりに、どうにか今夜のホテルに到着したのである。