8月 262005
6月12日と6月24日の2回にわたり、スタイナーネマ剤の追跡試験の結果が出ました。
スタイナーネマ剤は、りんごのシンクイムシを対象とした生物農薬剤ですでに「バイオセーフ」という商品名で販売されています。北海道で始めて果樹に対する試験ということで、特にシンクイムシの多発する園で行われました。
その結果は、残念ながら今回は特効が認められなかったということになりました。試験区内の一部に偏ってシンクイ被害が認められました。
その考察として、散布した日が乾燥していた事が第一に挙げられます。この線虫生物は水生に近く乾燥するとすぐに死滅するようで、園地への散布は、降雨時が良いようで、出来れば10ミリ以上の降雨が望ましいと思われます。
また、散布は、手作業で行いましたが、広い果樹園を散布するには従来のSSを改良する必要もあるかもしれません。
今回の試験の結果判定は、りんごにシンクイが入ったか、もしくは産卵の数で判断しましたが、実際のシンクイ発生数が掴めない事や、シンクイコンを設置した等考慮に入れると、シンクイムシ成虫の移動や生態など、基礎的習性の解明不足もあります。(例えば産卵のときにリンゴをどうやって見分けているのかなど)
いづれも、スタイナーネマ剤が効かなかった結果となりましたが、用法を変えて今後も試験する必要がありそうです。この剤は、果実に直接薬剤がかかる回数を減らせたりするので、これからの環境型農業の方策の一つとなりうるからです。