3月 102006
いつもハードな主張ばかり書いていますが、ちゃんと仕事はしています。
リンゴ屋さんと呼ばれる果樹農家は、全国的に「枝きり」シーズンです。枝きりは「剪定(せんてい)」と言いまして、いらない枝を切り落とすのです。
樹は放っておくとドンドン大きく高くなります。そうなると下部の枝は日陰となり枯れたりしますし、ますます上部へと樹は伸びます。そうなると収穫もままならなくなります。そこで、上に伸びないように上に行くような枝(徒長枝)をまず払います。次に下の枝にも日が当たるように、陰を作るような枝も払います。ってか、そのために樹の枝の配置を考えながら切ります。っか、これが一番難しい。突き詰めれば、増毛の緯度は北緯45度あたりだから、夏場の太陽高度が内地より低いので、光の差し具合まで考慮するべきなのだよ。
また、実の成った様子を想像しながら、残す枝切る枝を判断します。
鋏を持つってのは「床屋」とも通じるし、鋸を腰に下げた様子は「侍」を連想させます。
講習会は毎年のように行って講義を受けますが、いざ、自分の樹に向かうと理論どおりに行かないのです。なぜならば、樹はすべて違うから。二つといって同じ形の樹は存在しません。ですから、切る人によってそのクセが出るし、剪定を極めるには、その道は遠いです。
今日は晴天。上部の枝を払おうと鋸を構えた延長には、暑寒別岳が見えていました(写真)