三笠市にある山崎ワイナリーは2年前からワインの製造販売を始めた「地ビール」ならぬ「地ワイン」業者だ。達布地区の丘、わかりにくい場所にある。オーナーの山崎和幸さんは、元々は畑作農家で麦やスイートコーンなどを今でもつくっているが、あるhpによるとNZの自由な農業に憧れ、ワインをどうしても造りたくなったという。
物事を進める時、「出来ない理由」を並べ立てる事が多い。特に公務関係は、その傾向が強く、私は何度も憤ったこともある。自分自身、いろいろな夢や大きな事を考えても、実現は難しい。しかし、山崎さんは、それを現実のものとした。酒の製造免許、工場建設、ブドウ栽培、販売。問題山積で普通はここまでやらない。余市では、りんごや生食ぶどうに見切りをつけ、ワインブドウを大規模に栽培している農家はあるが、それは単に原料製造のみで、卸しているだけだ。
作っているワインは4種類で、約1万本出来たが、他の大手ワインと差別化するため、ビンはフランス、コルクはオーストライア、封かんは錫製と高級感を演出している。実はこれを書きながら買って来た白ワイン「バッカス」を飲んでいるのだが、昔NZでよく飲んでいた味がした。うっすら炭酸が沸いてきて、香りが一層漂っている。ワインの味は良く判らないという人も多い。私を含めて。その辺の微妙な味わいはソムリエに任せておいて、我々素人はとにかく美味しいと思ったワインが良いワインであるのだ。赤ワインは、酸が効いているので食事とあわせて飲むのが良いが、日本人はそんな習慣はないから、甘めの白ワインが一番とおもう。
山崎さんは、この夢を実現すべく、常に口に出して夢を語り、自分自身が後戻りできないようにプレッシャーをかけ、いろいろな人の助言(有料)もあり、免許、工場など建設。このエネルギーは、ちょっとまねできないが、見習いたいものである。
ワインはブームのときは売れるが、今はそのブームは下火だ。しかし、思いのほか「地元」の応援が大きく、励みになっているという。ワインの採算や収益は、これからも厳しいのかも知れないが、是非がんばってほしいし、応援していきたい。この白ワイン、美味しいです。
8月 272004