前回のエントリでホクレン大収穫祭の記事を書きました。帰って来て、改めてこのイベントについて感じたことを書きたいと思います。ホクレン関係者がこのブログを見てくれれば良いんですけど。
さて、この開催初日18日は、ものすごい人出で、10階フロアーは身動きも取れない状態でしたが、夕方から閉店時(午後8時)近くになると、ぐっとお客さんが減ってきます。そこで、私もあちこちブラブラ何か良いものがあったら買おうと他のブースを見てみました。
豆カウンターが直線的に配置してあり、金時豆や大豆など各種豆がばら売り(枡ですりきり)で売っていました。ここに限らず、ほとんどの店員さんは、ホクレンからの出向で、計算や接客もほどほどこなしています。しかし、残念なことに事務職であって、豆の知識は全くと言ってありません。「くらかけ豆ってどんなの?」と聞いたのですが、誰も答えてくれませんでした。
ハムのコーナーに行きましたら、別ブース担当の若い人が、その担当店員と話していて、たまたま私も立ち聞きしたのです。
「普通に売っているハムは大きな塊を切ってさらに薫蒸するんだけど、ここで売っているような大きさで、この値段(約1000円)は信じられないくらい安い」などと、経験を交えての会話をしていまして、私も話の輪に加わり、「ジャー、こっちのベーコンはどの辺がうまいの?」と問うて見ました。すると、「ベーコンはでこぼこした側がアバラ骨があった部分で、このでこぼこが大きいほがうまいはず」と教えてくれた。また、「ハムは、肉が厚いほうが柔らかい。うすっぺらいのはケツの端の部分だよ」。私もその担当店員も「へー」の連続。私、思わずその方が選んでくれたハムとベーコンを買ってしまいました。
増毛ブースの果物コーナーでも、店員さんのレベルは押しなべて同じ。接客は問題なくても、お客さんからの質問に答えられないのです。そこで、私たちが説明するのです。例えば「プルーンの白い粉は農薬なの?」と聞かれれば「粉は果実から発するもので、むしろ虫歯予防とか、健康にも良いらしいのですよ」と説明しますと、納得されたお客さんは安心してお買い上げされるのです。
昔は八百屋とか小売店は、対面販売が主流で、食べ方や見分け方など教えてくれましたが、現在はスーパーが当たり前になり、消費者が自分の目と少ない知識だけだけで商品を選ばなければならないのです。その時、少しの商品知識を与えてくれれば、もっともっと安心して満足できる買い物が出来るのです。
さて、今年で34回を数えるホクレン大収穫祭ですが、総売上は景気や天気によって左右されるのではっきりしませんが、増毛の部分だけ見ても私は、売上がダウンしているのではないかと感じでいます。
せっかくの北海道の収穫を祝うイベントでなのですから、どうせなら、我々のような生産者が来て、直接消費者との対話をするような工夫が必要ではないでしょうか。三越を訪れるお客様の年齢層は決して若くなく、常連さんがほとんどのように思います。商品に対する思いやウンチク、製造過程、苦労、誤解など商品説明をしてくれる「商品エキスパート」を配置する事で、イベントに対する消費者の興味が飛躍的に増すのではないでしょうか。
単なる「産地直送格安販売」だけではせっかくの一大イベントの意義も薄っぺらいものになると思います。
21日追記:生産者など商品エキスパートを配置して商品説明をすることで、同ブースにいるホクレン職員の商品知識の向上にもつながります。ホクレンは道内一大企業に匹敵し、職員達は、自分達の扱う商品に対して、深い造詣はないように思います。消費者への直接販売するこの機会に、生産者と共に販売することで、職員のスキルアップにもなるのではないでしょうか。