この旅の目的はブラムリーズシードリング(ブラムリー)の原木に会いに行く事。その原木はすぐ近く。
さて、私のこの旅には、ブラムリーファンクラブの方々が全面協力してくれている。Facebookやダイレクトメールのやり取りなどして、現地Southwellの方などに私が訪問する連絡が行っている。
ブラムリーりんご(Bramley’s seedling)は約200年の歴史がある。
1809年 少女メリーアンがリンゴの種を庭に植えた
1846年 肉屋のブラムリー氏が庭とコテージを所有
1856年 苗木屋ヘンリー氏がその庭のリンゴの苗をブラムリー氏の名を付けることを条件に販売承諾を得る。
1862年10月31日 ブラムリーりんご販売開始。やがてイギリス中で栽培されるようになる
1900年 大風により、原木が倒れる
しかしやがて、倒れた原木の根から新たに枝が延びてきて現在に至る。
まっ、ザっとこんな歴史なのだが、詳しくはブラムリーで検索してほしい。
ホテルの前で声をかけてくれた足を怪我して松葉づえをついていた男の人は、ヘンリー氏のひ孫にあたる、ロジャーさんであった。「後でゆっくり話そう、夜7時にまた来るよ」と言って別れ、私はホテルといってもB&Bなのだが、Bramley apple Innにチェックインした。お部屋は2階の道路側。
時差ぼけもあるし、まあ疲れた一日であったしベッドで少し横になった。すると電話ですよーとドアの外から声がかかり、身支度してドアを開けるとコードレス子機を渡された。「ハロー?」と一応出たのだが、ほとんど何を言っているのか理解できない。英語会話は顔を見ながらであれば何とかなるのだが、電話での会話は相手の表情がわからないので、英会話レベルが非常に高くなる。私のレベルでは無理。仕方なく電話の英会話は苦手であることなど伝えると、とにかく6時半過ぎに会いに来るという事らしい。まあ「OK」と言って電話を切った。
シャワーを浴びて時間まで横になり6時半になったので一階に降りて行った。この宿は一階はパブになっている。しばらくすると、電話の相手であったジョンさんが来た。ジョンさんもヘンリー氏のひ孫。つまりロジャーさんが兄でその弟のジョンさんだ。実はここには出てこないのだが、彼らの妹のセリアさんと私たちはFacebookでつながっていて、彼らを私に会わせたのはセリアさんが連絡してくれたおかげなのです。(セリアさんはイギリス南端のプリマス在住)
やがてロジャーさんもやってきて、ロビーのソファに座って、3人で語り合う。
真ん中がロジャーさん、右側がジョンさんである。同じ町に住んでいる兄弟でも、なかなか一緒に写真を撮ることないと言っていた。まあ、日本でもそれはあるよねー。
会話はもうこうなると、英文法なんて言っていられない。とにかく話題のニュアンスを捉えることに集中し私も思いつく単語を連発してなんとか会話にこぎつける。やがて男同士、いつしか意思疎通がスムーズになっていった。イギリスの事や日本の事などいろいろな分野について語り合い、2時間ちかく語り合ったのでした。
ロジャーさんは、ブラムリーアップルの歴史について詳しく書かれた自身の本「The Bramley -A world Famous Cooking Apple-」にサインをしてくれて、私にプレゼントしてくれた。
ジョンさんが「明日の予定はどうするの?」と言われるので、私は一日中Southwell の町中を散策して夕方にタクシーで次の宿(隣町)に行くと答えた。レンタカーをあきらめたので、遠いところには行けないし、Southwellの町でものんびり回ろうと私は思っていた。すると、ジョンさんは、「私は車がある。私が案内するよ」と言ってくれた。私はモジモジして遠慮していたのだが、何度も誘ってくれるので、「それではよろしくお願いします!」と日本語でお辞儀した。
夜9時過ぎ、明日再会する約束をして二人は帰宅して行った。私は一人パブのカウンターで呑み直し。スタッフと少し会話した。
この宿、Bramley apple Innには原木の枝を使ったお飾りがあり、雰囲気を高めていた。