今日は我々果樹園地帯である暑寒沢(しょかんざわ)地区のお祭り日。
祭典役員は、部落役員と各班の班長などを中心として祭典の飾り付けや他段取りを行います。私は今年はただ参加するだけの人です。
暑寒沢には小さな暑寒沢稲荷神社を有しており、増毛厳島神社神主さんに祝詞をお願いして、祭りを執り行いました。祈祷後は毎年記念写真を撮りますが、今年の集合写真はご覧の通りです。ただ、この一年間に不幸のあった宅は出席していませんから、すべての人々ではありませんが、暑寒沢で果樹に携わる家族を含めて多くの方が写っております。また、来賓には町長や農協、郵便局からも招かせさせていただいております。
この後は会館に入って、御神酒やビールで宴を開き、交流を深めました。
8月31日、9月1日の二日間に渡り全国りんご大会が札幌と余市仁木で開かれました。
一日目は札幌市のプリンスホテルにて午後より全国のリンゴ農家約500名が一堂に会して盛大に催されました。
日本におけるリンゴ栽培はほぼ全国に広まっていますが、産地形成しているのは日本の北部になります。今回は、長野や岐阜や富山の他、関東東北からも参加し、北海道知事や国会議員など多くの来賓を迎える中、「クリーンで美味しいりんごづくり」をテーマに記念講演や各地の取り組み状況など討議し、消費者ニーズに応え安心安全なりんごづくりに取り組む等の決議をしました。
各地とも農薬使用厳格化制度、ポジティブリスト制度に合った対応はもちろん、フェロモンを利用した害虫攪乱により農薬軽減をはかり、消費者にとっては当たり前な「安全安心」により的確に答えようとする産地の取り組みが紹介しされました。また、記念講演で弘前大学教授の塩崎氏は、農薬使用だけでなく品種にそれぞれに栽培状況にいたるまで生産者の「正直さ」が大切だとの指摘も受けました。
大会初日の「研究大会」の後は、夕食を兼ねた懇親会と移行し、それぞれ情報を交換していました。
雨よけハウス内のサクランボがダニっぽく、葉の色が赤茶っけてきましたので、ダニ剤を散布しました。
対象:雨よけハウス内サクランボ
薬剤:オマイト水和剤 750倍
散布タンク:3タンク
さて、今日と明日の二日間、全国リンゴ大会が開かれます。全国のリンゴ農家や関係者が約400名ほどの集合し、初日は札幌明日は余市に場所を移して、情報交換など行われます。
増毛からも14名参加します。私も行ってきます。
前回の散布から15日を経過しましたので、天気も良かったので本日りんご梨プルーンに薬剤散布しました。殺菌殺虫の農薬を散布するのは今期最後となると思います。
りんごは、葉っぱに害を与える「キンモンホソガ」が場所によって頻発しています。この害虫が大発生すると、りんごの葉っぱにたくさんの幼虫が取り付きます。葉っぱの裏側の葉皮一枚内側を食害し、その空間でサナギとなりその後脱出して成虫となります。年に数回の周期で世代が変わります。この虫にやられた葉っぱは、その機能が阻害され、果実肥大や糖度上昇が鈍りますので、防除は欠かせません。
対象:りんご・梨
殺菌剤:ストロビードライフロアブル
(りんご単植園のみ) 3000倍
殺虫剤:スタークル顆粒水和剤 2000倍
りんごのみにはスイカル1000倍可用
タンク数:5タンク
対象:プルーン
殺菌剤:ベルクートフロアブル 2000倍
葉面肥料:ヨーヒB5 1000倍
タンク数:1タンク
サクランボは本日をもって終了となりました。御来園又は間接にも当果樹園のサクランボをご用命頂いた方に厚く御礼申し上げます。
今年のサクランボは、開花がやや遅かったものの、5月の好天により盛り返し、収穫にかなりの期待を寄せましたが、結果的に今年は「たいしたこと無い」という感想になりました。
6月のジリジリしたしかし降雨量のない高湿度により、果皮が柔らかくなったままに時がすぎたのではないでしょうか。おそらくそのために、果皮の硬さがなく、終盤にショウジョバエの進入を許してしまったのではないかと私は思っています。
また、。7月にはいっても降雨があり、露地サクランボをもぎ切ることなく諦めざるを得ない状況となりましたし、なにより日照が不足してサクランボの本来の糖度に達しないまま終了した感があります。特に「水門」は、早期に柔わらか果皮となりその割りに酸味が抜けなく、傷みの足が速くなりました。
晩生種の「南陽」は、果実大はそこそこでしたが、終盤にショウジョバエの被害果が増加してしまいました。
一方、サクランボの出荷はすべて「手作業」であり、大勢のパートさんが必要となりますが、今年は多くの方々にお手伝いいただきました。
サクランボの価格は、品質低調のせいかかんばしくなく、その割りに人件費は増大したように思います。この傾向は我果樹園のみならず、増毛果樹園全体の傾向かと思いますが、他の果樹園の方はどうだったでしょうか?
当園では、昨日(9日)、「切り上げ」と称してサクランボのパートさんと打ち上げをして、けじめをつけています。
サクランボは残り少なくなりました。しかし、南陽などまだ木になっているものが、ショウジョバエの被害が目立つようになりましたので、夕方に1タンクだけ殺虫剤の散布を行いました。
対象:残存しているさくらんぼ
薬剤:アディオン水和剤 2000倍 1タンク
もちろん、この薬剤は収穫前日ので散布が許されています。
さくらんぼ終盤になると熟してくるのが、カリンズとカシス。当園では試験的に栽培していて、本格的な販売はしていません。ブドウ棚の隅っこに植えています。
カシス(写真の黒い方)は今年の春、この場所に移植したばかりなのに、実をつけています。さすがに土壌水分を十分に吸えないせいか、枝の伸びや葉っぱの力強さはありません。カリンズ(写真の赤い方)はもう15年くらい経つと思いますが、今年もたくさん赤い実をブドウ房のように付けています。
先日、札幌のお菓子屋さんがいらっしゃったので、進呈しました。ジャムなどにして洋菓子に使うとのことです。カリンズは、フランス料理のソースにも使われるそうで、以前は札幌の市場にも送っていました。
直売場では、サクランボを売っていますし、側でサクランボを選果しています。そこに雰囲気をかもし出すBGMでも流そうと、以前はCDかけていました。しかし、ネットに繋がるパソコンが事務所にあるのだから、ITunesを使って流すことにしました。
サクランボのパック詰め作業はコンのいる作業で、はやし立てるようなやかましい曲はダメ。また、直売場で、耳に障るようなテンポの曲も不釣合いということで、クラッシックがよかろうかと。
そこで、癒し系であるモーツアルトやクラシックの静かな曲のCDをITunesに入れて流していました。でも、最近はITunesラジオです。直売場の雰囲気を損なう事無くまた、働いている人の気持ちをいらだたせる事も無い局で、こちらラジオ内classicalの17ストリームの一つWhisperings。穏やかなソロピアノが心地よく響いていますよ。但し、あまりにスローな曲では眠たくなる可能性あり。
昨日7月31日付け北海道新聞夕刊第一面に農薬使用に関する増毛果樹園の実情が引用した記事が載りました。
今年5月末から導入された「ポジティブリスト制度」。残留農薬に基準を設定し、超えたものには罰則を用いる制度で、いわゆる農薬使用の厳格化した制度。
記事によると農家の農薬代が増したとなっておりますが、まぁ、それは事実。しかし、ポジティブリストは、本来は消費者の立場からのアプローチであり、安全安心な農産物提供は生産者の当然の責務です。この記事では、農家側からの立場での内容となっていますが、消費者から見れば、農薬使用の厳格化は当たり前と受け止められるでしょう。
私から言わせてもらえれば、残留農薬基準は当然とおもいますが、問題は使用用法があまりにも細分化していてると言う事。例えば、
桃とサクランボと梅には登録があるのにスモモはダメとか、大粒ぶどう小粒ぶどうに分かれている剤があったり、マイナー作物にいたっては登録コストがかかるせいなのかメーカーが登録しないなど、非常に使いにくくなっています。
果樹の場合、りんごやサクランボ、プルーン、梨、など隣接或いは混植されているケースがほとんどであり、農薬の使用やコストよりも、登録制度の矛盾を浮き彫りにする方が先決かと思います。
さくらんぼは終盤に差し掛かり、晩生種中心の品種構成となりました。まだ総括するには早いのですが、つくづくサクランボは「時期の物」と思います。サクランボは「旬」を逃すと他の例えばイチゴなどのように、いつでも手に入るものではありません。5月山梨あたりから8月中旬の北海道まで、それ以外は輸入を除くと「生」のサクランボは食べられません。また、サクランボは、日持ちも悪く、数日の猶予の後は劣化していきます。ある意味鮮魚に似ています。
しかし、サクランボは鮮魚と違って冷凍が出来ず、科学の発達した現在に至ってもせいぜいクールで輸送する程度です。その意味では、サクランボは魚よりも「鮮度」が重要視されるといっても過言ではありません。いろいろな農産物がある中で、「旬」を頑なに守り続けているのがサクランボなのかも。
ですから、サクランボはより貴重な農産物であるとも言え、お客様も季節を求めにいらして来るのかも知れません。
増毛の暑寒沢地区のサクランボはおそらく後一週間ほどで大方終了するものと思いますが、残りの「旬」を逃さずご来園頂けたら幸いです。
今日は昨日に続き晴れて気温も上がりまして、日没直前に暑寒別岳は久しぶりに夕日を反射させていました。(写真クリックで拡大)
暑寒別岳は残雪も残り僅かとなり、青い雄壮を見せつけていますが、7月はなにせ曇ったり雨だったりとなかなか見る機会がありませんでしたが、今日はばっちりとみえました。
写真は、国道から撮りましたので、通りかかった方は誰でも見られる角度です。国道の永寿川の橋からシャッターを切っています。そこからは果樹園が見えまして、雨よけハウスの群生を見ることができます。写真の左下をズームしてみますと・・・
こんな感じです。もちろんここから見えない部分がほとんどですから、果樹園地帯には至る所の畑がポリで覆われています。
サクランボは、野球で言うと7回辺りの終盤戦。晩生種の南陽を中心とした品種構成に変わりつつあります。
今日朝より薬かけしました。SSが空いたのが9時前でしたので、途中、サクランボを留萌まで配達したり昼食したりと、終えたのが午後4時でした。早朝はほとんど無風でしたが、私のかける頃から少しずつ風が強くなり、午後からは昨日と変わらぬほどの強風も吹きました。
今回も、周囲にサクランボがまだなっているので、サクランボにドリフトしても問題化しないように、サクランボに収穫前日までかけても大丈夫な薬剤を選択しています。
対象:りんご・梨
殺菌剤:インダーフロアブル 5000倍
殺虫剤:アディオン水和剤 2000倍
りんごには、カルシューム剤としてスイカル1000倍加用しています。
ついでにプルーン
殺菌剤:インダーフロアブル 5000倍
殺虫剤:スカウトフロアブル 2000倍
葉面散布肥料 ヨーヒB5 1000倍
プルーンは、前回からの散布間隔が空きすぎ、灰星病と思われるサビ果や、せん孔病と思われる(特にサン・シュガープルーン)多発していますので、少しの足しになればと葉面散布肥料を入れました。