台風により倒木したわい台りんごの木を、後に引き起こしました。その際の果実の品質低下はどうなのか普及センターで追跡調査した結果が出ました。
倒木すると当然、根がちぎれたりしますので、引き起こしたとしても成っているりんご果実へ与える影響は未知のものでした。台風襲来は9月8日、調査樹を引き起こしたのが9月13日です。調査は各5個づつでその平均を上記表に載せました。(糖度はクボタの高額な機械「フルーツセレクター」にて果実を割らなくても判るんです)
結果は、多少糖度や大きさに低下が見られましたが、特記するほどの差ではなく、ほとんど影響がないと言って良いようです。
※F普及員、調査ありがとうございます。Fさんの実家は新潟県長岡で、今回の地震で大きな被害を受けたようで、お見舞い申し上げます。
4年前から我が果樹園の応援団として紹介している札幌在住「アッシャー」が来園しました。アッシャーはすでに12歳、人間に換算すると70歳を超えていて体の衰えが隠せない。白内障も進んでいるようだし、なんといっても歩き方がぎこちなくなった。左足が悪くて甲を引きずるようになった。それでもリンゴは大好きで、何個食べても飽きることは無いようです。
以前紹介した「JJ」も一緒に来園しました。彼は盲導犬の最終試験で惜しくも脱落してしまいました。どうやら若干吠えるクセがあるらしく、これは一生消えないとの事で、最近厳しくなった盲導犬規定からJJは外されてしまいました。しかし、たとえ盲導犬に成れなかったとしても、ペット犬としてはさすがに優秀。訓練を積んでいるのでアッシャー同様愛くるしさは最高であります。
アッシャーは足が不自由になりつつあるのに、我が家の横を流れる永寿川に入って水浴びをしていきました。透明できれいな流水に思わず入り込んでいきました。もうすでに冷たいのですが、そんなのはお構いなし。川の名にあやかってアッシャーも「永寿」といつまでも元気でいてほしいものです。
北海道は、先の台風18号による被害状況を発表しています。こちら参照その対策として農業分野で、特に果樹の被害が大きかったことから、果樹災害対策を行います。こちら参照
これは、台風により果樹木が倒れてそこへ苗を改植する際の負担に対して1/3を補助、また、強風で葉が傷ついていることから病害予防の殺菌剤散布の薬剤費の1/2をそれぞれ補助するものです。北海道単独事業で、以前ならば負担の残りの1/2を町村が負担するなどがありましたが、増毛町の場合、財政が逼迫していることから、北海道のもみの事業となります。
当果樹園でも倒木して枯れたり、わい台の支柱が曲がったりしましたので、この事業に申請させていただきたいと思っています。台風18号は日本海側に大きな爪痕を残しており、その中には果樹の大半を占めている余市、仁木があり、相当の申請額になると思われます。しかし、上限が決められているため、過剰分は自己負担が増えることになります。
台風の被害はその後も本州で何度か上陸し洪水も起きて、さらに昨日は新潟で大地震のニュースが飛び込んできて、われわれよりもさらに生命に直結する「激甚」といった事が起きています。今こそ、税金の迅速で有効な使い方を真剣に考える機会とも思います。
りんごの品種「新世界」を収穫しました。
この品種はやや小ぶりで、真っ赤に色づくのが特徴です。皮の部分をよく噛むと「苦味」が感じられます。「苦味」は「大人の味」です。でも個人的には、りんごに苦味は必要なくなぁと思いますが、果肉の味は濃厚だし、美味しいです。特に色の濃いものがよいと思います。
昨日に引き続き、今日は「ハックナイン」を収穫しました。
ハックナインは北海道で生まれた品種です。 こちら参照 試験段階でこの品種はHAC9(HOKKAIDO APPLE CLONE No9)と呼ばれていました。で、品種登録するときにいろいろ名前を考えましたが、親しみやすくてモダンで北海道らしい名前っと言うことで、結局、試験名をカタカナに変えて「ハックナイン」としたのでした。
ハックナインは当初は最有望品種という事で、こぞって全国で栽培されましたが、大きくなりすぎたり、内部褐変しやすかったりしました。本州でその欠点が特に目立ったため、本州の各産地からこの品種は嫌われていきました。北海道でも年数を重ねると色づきが悪くなるなど、欠点ばかりが取りざたされて、新規に植える果樹園はごくごく少なくなっています。
しかし、ハックナインは北海道で生まれた道産子品種です。なぜこのHAC9が世に出たかといいますと、食味がすこぶるよいからです。酸味も甘みも多くジューシーで、濃厚な味わいのリンゴなのです。何年か前、始めて食べたと言うお客さんは、「衝撃を受けた」とおっしゃり、それ以降熱烈なハックナインファンとなった方もおります。
台風23号は、超大型で強いとのこと。「超大型」とは15メートルの強風域が半径800キロ以上だって。これじゃー直撃しなくても、日本列島全部強風に巻き込まれるでしょう。そこで、今日は天気が良いし、デリシャスを収穫しました。
デリシャスは、確かぁアメリカ生まれで、この品種が生まれたとき食べた人が「うまい(当然英語で)」と言った事からそのまま「デリシャス」と命名されたらしい。なんと安直な。しかし、この品種は、世界を駆け回り、日本では昭和30年代?40年代に一大ブームを引き起こし、高級りんごの代名詞ともなった品種なのです。
たくさんの果樹園が作るようになると、いろいろな亜種が派生し、より着色のよい物へとシフトしていきました。それが「スターキングデリシャス」や「リチャードデリシャス」です。アメリカでは、「レッドデリシャス」が一番多くてニュージーランドでもたくさん栽培されてました。
一世を風靡したデリシャスですが、早く柔らかくなったり内部が腐ったりする欠点があり、特に気温の高い本州では顕著で、いつしか価格が低迷するようになりました。また、新品種「ふじ」の出現により、ボケやすいデリシャスは衰退し、内地ではほとんど栽培されなくなりました。
しかし増毛では、収穫期が10月下旬で、その頃は暖気も少なくなり、ムロに入れて貯蔵すると年明け2月頃まで出荷できる為、今でも増毛でのデリシャスは主力品種として生きています。ひょっとすると、日本で最高品質のデリシャスは増毛産といえるかも知れません。(これマジです)
今年は台風18号により、落果がはげしく、当果樹園でも収穫した量は、例年の30%程度でした。明日は、ハックナインの収穫を予定しています。
(有)北王よいちへ加工委託していました洋梨ジュースが出来上がり、本日、農協倉庫へ搬入しました。今年は台風があって、収穫時期が各果樹園に任せたため追熟期間が一致せず、製品率が落ちました。今年出来上がったのは約1600本。りんごジュースや人参ミックスジュースがすでに完売状態なので、洋梨ジュースが早速各店や果樹園に店だしされます。
当果樹園でも、他のジュースがほぼなくなりましたので、洋梨ジュースのみの販売となります。当果樹園では、1本(1000ml)550円(税込み)で販売します。前回も書きましたが、洋梨(バートレット)によるジュースは全国でも大変珍しいと思いますので、どうぞご賞味していただきたいと思います。
農作業は体が資本と分かっていますが、私、膝が痛いんです。数年前から気になりだし、靴底が減ってくると痛み出すようになりました。当初は重たい安全靴(つま先に鉄のガードが施している)を履いているせいかと思っていましたが、2年前から普通の靴でも底が減ると痛み出すんです。ついでがあったので札幌の整形外科で診てもらいました。レントゲンを撮りましたが先生は「レントゲンでは分からない」とMRIも撮りました。その先生は「前の患者の説明聞こえたでしょ?そういうことだから」ときちっと説明されなかったのですが、どうやら手術するしかない様子。「農閑期でいいから暇になったら来院するように」とまぁ、急がなくてもよいのだなぁ。と帰ってきました。しかし、なんとなくの痛みは続いていました。
去年、千葉の叔母から健康器具を販売する商売を始めたとのことで、「ジャー試してみます」とこれ買いました。プチシルマ。結構高いです。テレビCMはこちら。こんなのは貼ってほんとに良くなるのか半信半疑でた。まぁ、なんとなく痛くなくなったかなっ程度で、何ヶ月か着けましたが、いつの間にか着けなくなりました。しかし、1ヶ月前頃、また右膝が痛くなってきたんです。しかも強烈に。普通の歩行がぎこちなくなるほどに。そこで、また今度は多めに膝に張ったんです。何度か貼りなおしていますが、調子は良いです。不思議。
プチシルマはゲルマニュウムと呼ばれる半導体。この物質は昔、鉱石ラジオとか、ゲルマニュウムラジオやトランジスタに使われていましたが、半導体はシリコンに取って代われ、ほとんど聞かれなくなりました。
フランスに「ルルドの泉」ってのがあって、杖をついてきた老人がこの泉の水を飲んだところ、痛みが消え、杖を置いて帰ったとの逸話があります。そのルルドには多くの痛みを持つ人が訪れ、たくさんの杖が置き去られているらしい。その水を分析したところ、天然のゲルマニュムが溶けていることが判った。そこで、ゲルマニュームが注目されたとの事。
私の場合、根本的に治すためには外科手術が必要と思いますが、まぁ、痛くなかったらそれでいいやっ。しばらくプチシルマ貼ってみます。
ほとんどの果樹園ではりんごなどの苗木は買っています。で、どこから買うのかといえば「苗木屋」さんからです(当然)。全国には苗木屋さんは何社かあって、私達に関係するのは落葉果樹専門の業者。苗木の植える時期は樹が休眠している秋もしくは春。苗木屋さんは長野や青森、山形が主です。各社ともカタログはオールカラーで、その品種の特性やセールス事項が写真とともに描かれています。昔はりんごで紙面の多くを割いていましたが、最近は果樹のブームがプルーンやブルーベリーなどにシフトし、苗木屋さんもたくさんのバラエティーを揃えてきてここ数年、得意な樹種を打ち出してきているカタログもあります。
こんな立派なカタログを全国の果樹園へ送っているとなると、その経費はすべて苗木代に含まれていると思いますが、やはりきれいな写真を見せられると、どれにしようかとわくわくして見てしまいます。苗木の値段もさまざまで、最新品種は1本5000円以上するのもあります。
ほとんどの苗木は、たとえばりんごは、丸葉やM26と呼ばれる台木に品種を接木しています。そのため、同じ品種でも台木の種類も加算され、品種も覚えきれないほど増えていますから、扱い品目が多くなっています。
台風18号の来襲から丸1ヶ月が経ちます。増毛のりんごは「壊滅的」とお思いの方もおりましょうが、そんな事はありません。確かに収穫直前だった「つがる」などはほとんど落果しましたが、その時はまだ小さかった「ふじ」や「ハックナイン」など後半から出る品種は、落果もありましたが、意外とけっこう成っています。
農業改良普及センターの普及員F氏と立ち話をしましたが、今年のりんごは、酸が少ないとの事とでした。果実のヨウド反応も熟度が進んでいると示しているようで、収穫期は例年よりも10日ほど早いそうです。
これからの収穫に「紅将軍」「昂林」「ひめかみ」などミツの入りやすい品種がありますが、台風により葉が痛んでいるため、ミツは少なめになりそうです。しかし、糖度は十分に上っているらしく、今年のりんごは酸味の少ない甘め強調のりんごが仕上がりそうです。
果樹園では、着色を良くする為、果実にくっついているような葉を取ったり、地面に反射シートを張ってりんごにたくさんの日光を当てるように作業をしています。また、袋をかけた「有袋」りんごは傷も少なく良い感じになっています。
3日の日曜日、果樹園11戸で構成する増毛町農産加工組合の洋梨ジュース原料を委託加工先である(有)北王よいちまで搬送しました。コストを極力抑えるため、4トンのレンタカーを借り上げ、私が余市まで運転していきました。
増毛のジュースは、りんご、洋梨、人参ミックスの3種類。去年は在庫を抑えるために製造数を少なめにしたため、洋梨、人参ミックスはすでに売り切れ。りんごジュースの在庫も数箱となってしまいした。
「洋梨ジュース」の原料はバートレット。ジュースにするからといって、どんな原料でもOKというわけにはいかない。原則Sサイズとして、あまり小さいのはジュースのうまみに影響するといけないのでペケ。また、バートレットは黄色くなると数日のうちにベチャベチャとなるため、搾るタイミングが難しい。そのあたりは工場におまかせです。洋梨はりんごより果汁がドロドロしているため、製造能率が悪いためコストが高くなります。
私の見解ですが、「洋梨ジュース」は全国的に珍しいのではと思います。山形にラ・フランスジュースはありますが、バートレットのジュースは他に見たことがありません。ひょっとするとかなり貴重なジュースかも。
写真(GIF)は、それぞれのラベルです。デザイン私が作ったのですが、当初は公募等でラベルを決めておしゃれなものにしようとしました。そのため、その暫定のつもりでのデザインでしたが、結局未だにラベル変更はされていません。
また、このGIFはHPに載せようと6年前につくったのですが、76キロバイトあって当時の通信速度では表示まで数分かかっていたことから、ボツにしていたもので、今回やっと陽の目を見ることが出来ました。
※その1よりお読みください。今回は告発に近く、勇気を持って書かせていただきます。!
余市でも増毛でも桃が作られていて、熱心なファンもおります。が、さて
問題・・・・北限の桃はどこで栽培されていますか?
答え・・・・秋田県鹿角市です。
北限のももは、なんと秋田県です。青森県でも作られていますが、鹿角市は冷涼で収穫が遅いため「北限」と勝手にうたっています。こちら参照県政だより15ページ。へぇ?出荷時期が遅いのが北限なんだぁ。初めて知ったなぁ。さらに出荷グループを立ち上げ、拡大しています。拡大するのはよいのだけど、「北限のももと呼ばれるだけに」って、勝手に言っていたら周りも確認せずに呼んでいるだけだべさぁ。さらに勢いに乗って登録商標までとったようです。さらに秋田のテレビでも収穫模様が放送されました。秋田放送9月9日のニュース。また行政も完全バックアップしています。こちら参照 という事で、「北限のもも」は、北海道ではなく青森でもなく秋田県が正解なのです。
しかし、登録商標まで取ったということは、増毛の桃は、北限のももと言えず一番北の産地で取れた桃というよりないですねぇ。「北限のもも」は単なる名称でしょうが、「北限」とは日本語の意味があるのだから、その意味に合わなくても許可されるのも不思議です。
今年は台風が何度も来襲して被害が大きかったですし、桃のシーズンも終了していますが、それはそれとして、このような事が許されるのか私は問いたいと思います。どこの生産者も産地でも他との「差別化」を打ち出し、有利に販売したいと思っております。それはおおいに結構なことですが、消費者に対して誤解を与えるようなネーミングは絶対に許されません。ましてやトレーサビリティとか、表示問題が厳しく問われている時代です。さらに、最近は果樹界でも無登録農薬使用問題が発覚して大問題となった経緯もあり、「単なる名称ですから」と済まされないものがあります。
写真は、我が家の数本ある桃の写真です。
問題・・・・果樹の北限はどこでしょうか?
答え・・・・ん?と、おそらく「果樹園」の北限は、初山別村にある木下りんご園でしょう。しかし、初山別村には一軒しか果樹園は無いので、集団的に果樹を栽培している「産地」としては増毛町でしょう。以前は上湧別町に果樹園がたくさんありましたが、フラン病や凍害のため、今では産地とはいえなくなるまで果樹園は減少消滅してしまいました。旭川近郊にも果樹園はありますが、地図で見ると若干増毛町の方が北に位置しています。また、増毛町では、りんごや梨、さくらんぼ、プルーンや桃、梅など多種多様に栽培しています。増毛町果樹協会では、以前エコ葉書(写真はその葉書のデザインです)を作成しましたが、その時のコピーに「くだもの北限ロマンス」と付けたのは何を隠そうこの私でした。
そんな訳で果樹の北限は増毛町であるといっても間違いではないでしょう。読者の皆様、ここまで納得いただけましたか?納得いたしましたら続きをお読みください。
さて、こちらには、「山形は桃の大産地としては北限」と申しております。ほっほぉー、北海道から何百キロも南にあるのに北限ですか。「桃」の大産地山形。これは私も認めましょう。しかし、「大産地の北限」って、いったい何の意味があるの?それに大産地ってずいぶん曖昧な言葉でしょう。
しかし、まぁ、これはまだ可愛いもんで、さらにもっとすごい所があった・・・・その2につづく
この話題はもうずいぶん言ってきましたし、各サイトでも説明されているのですが、今日の話題が思いつかないものですので、あえてアップします。
「このりんごワックスがかかっている!」と疑う消費者の方がおります。しかし、当果樹園に限らず日本のりんごにはワックスなんてかけていません。アメリカから輸入されているレットデリシャスにはかけられているかもしれませんが、日本ではそんなことはわざわざやりません。
しかし、「つがる」など確かに表皮がべとべとしたり、異常に艶っぽかったりします。これは、りんご表皮から染み出してくる油成分のためです。オレイン酸やリノール酸などの植物油であります。収穫して日が増すと出てきます。これはりんご自身が乾燥から身を守るためとも言われております。
まぁ、油が上ってきていると言うことは「早く食べてくださいサイン」と言って良いでしょう。
あっ、それとずいぶん前に「みのもんたの思いっきりテレビ」でやってたんですが、この果皮の油成分にオクタコサノールってのが含まれていて、これは強力な筋肉疲労回復作用があるそうですよ。
増毛町内のブログ「がらくたGallery」にアイディアかかしの記事がありました。かかしは害鳥から水田を守るためのものですが、それに遊び心を加えたものですなぁ。
果樹園にとっても鳥の害は深刻。とくに増毛の場合はカラス。カラスはさくらんぼでもりんごでもぶどうでも梨でも、被害を与えます。食べるだけでなく、せっかく掛けた袋を落としたりといたずらもします。この憎きカラスを撃退するために果樹園では、爆音器や爆竹を鳴らしたり、テグスを張り巡らしたりしていますが効果は低いのです。私は常々考えているのですが、やはり賢いカラスを遠ざけるには、人間も近寄ると怖いものでなければいけないと思っています。こんなに電子技術が進んでいるのだから、カラスの鳴き声とか飛来音を感知してその方向と距離がわかる機械を作ることができるでしょう。そのデータをもとにして、カカシロボットがカラスに向かって銃を撃つってのはどうでしょうか。まあ、流れ弾が人間や作物に当たると困りますから、銃は水鉄砲にすればよいのです。今の日本の技術であれば簡単に作れると思うんですけど。
そしてその銃はあえてロシア製にするのです。その名も「カラスニコフ」或いは「カカシニコフ」ってのはどうでしょうか?