2月 272005
 

2月23日のセミナー続きです。

  第4講演は「ファームレストランに夢をたくして」と題して長沼町、有限会社クレスガーデンの干場氏でした。干場氏はもともと札幌のスーパーマーケットに勤務していた。スーパーは大量に規格統制する事でコストを下げで販売することが出来る。しかし、ダイエーが傾き、ヨーカドーも順位をさげるなど、スーパーのあり方が変化している。
 そんな中、息子の独立するのをきっかけに、札幌にレストランを開業した。札幌で、駐車場もままならないことから、2号店は長沼に移住し、スーパーからレストラン経営に転職。メニューに特色を出すべく、地元産の野菜を中心としたファームレストランにした。また、自前の野菜も使っている。スローフード、地産地消など現在で注目されており、メニューも評判が良い。
 コンビニが販売額を伸ばしている。しかし、生鮮はコンビニにとっては大の苦手とする分野だ。それは、第一「腐る」第二「規格統一が難しい」と言うことだ。野菜や果物は生き物であるため、同じ種目でもそれぞれに違う。まさにローカリズムである。生きているものを長距離の輸送は土台無理なのだ。
 今後の会社の戦略として、小さな直売所を設けて、レストランの食材を売って行きたいとのことだった。

 2日間にわたって行なわれた「農業経営トップセミナー」はこれで終了。午後から、同じ場所で、「消・農交流会」が開かれたました。こちらは参加費も無料だったので、どんなものか入ってみました。「2005/食・健康・環境」をテーマに、生産者と消費者のパネルディスカッション形式で行なわれました。

 生産者側からは、道内の農業生産法人の代表13名と、消費者側は江別や岩見沢などの消費者協会や雑貨店主など13名がパネラーとなり、お話が進められました。
 生産者側には、以前このブログで紹介した有限会社山崎ワイナリー、留萌管内からは有限会社無限樹なども参加しておりました。また、来場者の中には壮瞥町有限会社アグリエイトHP-こちら-の長内さんもみえておりました。
 話題として、消費者からは食べ方などもラベルに入れると良いのではとか、情報をもっと発信してはなどの意見が出されていました。また、トマトの甘いのは今後も作るのかとの問いに、生産者側からはケースバイケースで、答えられないとの意外な反応。と言うのも、品種もたくさんあるし生食、加工、輸送手段など、すべてに扱いが違うので一概な答えが出ないとのことでした。
 私が見ている範囲では、生産者側は生産から消費までを一貫して管理する意識の高い方がほとんどだし、消費者側も知識の多い方ばかりなので、双方発言する方角が一緒になり、討論にはなりませんでした。また、いくら生産者側から情報を発信しても、受け取る方は、あふれる情報を精査しなければならないため、その労力を惜しまない余裕があるのだろうかと私は疑問に思いました。
 ある消費者側の人が「息子の友達は一人暮らししているのだが、そこにはヤカンも無い。つまり、今の子供達はカップラーメンも作れない」とか、今の若い人は「缶きり」を使えないなどの発言があり、そこまでいくと、もはや生産とか消費の問題以前に、家庭の子育ての問題ジャーないのかなと思いました。ヤカンを持たない人に、栄養バランスだとか、こだわり牛乳とか提供したところで、ほとんど無意味であると思う。
 生産者は、いろいろ苦労してより良いものを、消費者の満足してもらえる物を提供しようと努力しているのだから、理解していただける消費者だけに買ってもらいたいと思うのは、私だけではないと思います。
おわり

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