10月 182006
「ふじ」は日本のりんご品種構成において圧倒的シェアを得ていて、「ふじ」の作付けは世界へも広がりを見せています。しかし、増毛町において「ふじ」は生育期間が短いためか小玉であり、色付きも悪くて他産地よりも大変不利な状態でした。
世界を席巻しつつある「ふじ」は、その本数が増えるにつれ枝が突然変異する「枝変わり」が多く発見されるようになりました。その枝変わりの一つがふじよりも早く収穫できる「やたか」が出現。ふじのバラエティーが増えました。さらに時が経ち今度は「やたか」の枝変わりが出てきて、やたかよりも色もよく早い品種が登場。それが「紅将軍」です。早生の「ふじ」は、まだまだいろいろ発見育種されて「弘前ふじ」など出てきました。「昂林(こうりん)」も早生ふじの一種で出生がはっきりしないものの、おそらく「枝変わり」として出てきたものと思われます。
北海道産「ふじ」は内地産ふじに品質ではかいませんでしたが、この早生ふじ系統は、他府県と遜色なく果実も大きくなるしミツ入りも豊富で、おいしい良いリンゴが出来ます。北海道の「早生ふじ」は、余市のある出荷組合で「昂林」、深川方面は「紅将軍」と地域を挙げて品種導入が図られておりすでに多くが出荷されています。
当果樹園では、両品種はありますが、まだまだ幼木のため十分な収穫はありません。しかし、外観やミツのびっしり入った濃厚でさわやかな味のこのリンゴは増毛でも高品質りんごで出来、つがる収穫後の品種としてかなり有望で、今後の増毛町での植栽は増え続けると思われます。
当果樹園の紅将軍と昂林はそろそろ収穫されますが、おそらく直売の皿売りで終了するものと思われますが、以後お見知りおきを。